偶然と必然
偶然と必然は表裏一体です。
何気ないひとつの偶然から人生が変わることがあります。
また、自分で考え行動した必然から、予期しない偶然に遭遇するものです。
人生はこの偶然と必然が織りなす縄の如く運命を決めていきます。
偶然と必然が表裏一体ならば、どのような必然がどのような偶然を引き寄せるのか予測できそうな気もします。
実は偶然は自分の意識の方向性に関係して起こっているものです。
何かに(目標)向かって考えたり行動していると、目標に関係した偶然が起こってきます。
その偶然はふたつの方向性を示しています。
ひとつは目標を遅らせるための偶然です。
もうひとつは目標を早めるための偶然です。
どうしても目標が達成できなかった事柄がひとつの偶然によっていとも簡単に目標に達した経験は誰にでもあります。
反対に目標に向かって順調に進んでいたものが、あるひとつの偶然によって大幅に遅れてしまったことも経験しているはずです。
ところが運命という大きな視点から振り返ってみると、早まったことも、遅れてしまったことも、とても意味のある偶然であったことが後でわかります。
どちらも結果的に良かったという意味です。
私の数ある体験の中のひとつを紹介しておきます。
北アルプスの登山道を歩いていた時のことです。
メンバーのひとりが体調を崩して予定の時間から1時間ほど遅れてしまった。
もし順調に予定通り進んでいたら、その場所で雪崩にあって遭難していました。
「運が良かった」
「ツイていた」
と胸をなでおろしたことを覚えています。
この幸運と不運との狭間に意味のある偶然が潜んでいるのです。(ここでは体の不調)
別の観点からは、必然が意味のある偶然を引き寄せているのです。
必然とは自分で考え行動した結果です。
人は明確な目標を持って綿密な行動計画を立てた時に、目標を達成するための意味のある偶然が起こってくるということです。
偶然もまた必然の世界です。