二度とない人生だから
30代の若き頃、ある人のご縁を頂き愛媛の坂村真民先生のご自宅を訪問したことがありました。
大きく包み込むような優しくあたたかい眼差しは今も脳裏にくっきりと焼き付いています。
詩作に人生をささげた国民詩人・坂村真民先生は惜しくも平成18年に逝去されました。
「すべて結び合うものが縁なのである。そしてそれは人間だけの世界のものではなくて、木にめぐりあうのも、草にめぐりあうのも、まことに不思議な縁に
よるものである」と、諭してくださいました。
出会いと別れがおりなす人生の悲喜を真民詩は、今も多くの日本人の心の支えとなっています。
人間の一生はすべて不思議な「縁」によって運ばれています。
「二度とない人生だから」
出会いの不思議に手を合わそうと教えてくださった。
感謝ではなく「手を合わそう」と、その言葉にまさに悟りの神人だと感銘した。
それ以来、人生で何が一番貴いかと聞かれたら、即座に「縁」と答えたい。
人と社会、人と人との出会い、あるいは全ての物事は縁によって結ばれています。
「縁」のひとつひとつが自分の運命を決めていきます。
ある人は自分の仕事と縁があったからこそ成功を収めることが出来たのです。
「縁」は運命の種のようなものです。
種がなければ芽も出なければ花も咲きません。
種を播かずして将来のどんな収穫も期待することはできません。
「縁」という種は日々の行動から生まれます。
また、出会った「縁」に感謝して育てなければ「縁」は生きてきません。
人生は数え切れないほどの「縁」で結ばれて今の自分があります。
多くの人と縁を結び、その縁が大きな成功や幸せを生み出しているのですね。
日頃のちょっとした心構えが多くの人と「縁」を結び、そして人生を成功へと導いてくれます。
あなたの笑顔、ことば、態度などが「縁」のきっかけになるものです。
二度とない人生だから・・・
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二度とない人生だから
一輪の花にも
無限の愛を
そそいでゆこう
一羽の鳥の声にも
無心の耳を
かたむけてゆこう
二度とない人生だから
一匹のこおろぎでも
ふみころさないように
こころしてゆこう
どんなにか
よろこぶことだろう
坂村真民・詩集より