「一枚の木の葉が月を隠す」
文芸批評の達人小林秀雄が例えた言葉です。
人は一つのことにこだわると全体が見えなくなります。
「木を見て森を見ず」というではありませんか。
毎日の生活に追われていると、時代がどこに向かっているのか
分からなくなります。
今は大局観にたって物事を眺めなければ方向性を間違えてしまいます。
どんなに努力してもムダな努力になる可能性だってあります。
そこで、鳥の目と虫の目を併せ持たなければ対処できません。
我が国は消費増税で一喜一憂していますが、世界はそれどころではありません。
世界のどこからか火が噴きそうな情勢です。
決して対岸の火事ではなく、私たちも火の海に巻き込まれます。
日本も竹竿一本で急流を下っているようなものです。
いつ転覆するかもしれません。
もちろん長い目で眺めれば、急流もやがてゆるやかな大河と合流するときが
やってきます。
ここ3年ほどは急流下りの状態です。
沈んでいく泥舟でないだけ救われます。
ただベテランの舵取りが必要ですね。
虫の目で眺めている人は船底からネズミが飛びできたと騒いでいます。
そんなことはどちらでもいいことです。
来年は大難所にさしかかります。
それぞれ個人の力には限界があります。
かといって何もしないわけにもいきません。
鳥瞰的に社会を眺めて自分なりに防御しておく必要があります。
明日に何が起こるかの心配より、起こったときにどうするかが
大切です。
私も暗い話は書きたくありませんが、現実をしっかり見据えないと
夢の実現どころではありません。
朝が来れば夜が来る、夜が来ればまた朝が来る、これは自然の理です。
大地にしっかりと足を下ろし、力強く未来に向かって行きましょう。