知れば知るほど怖くなる
「こわい」という意味を辞書で調べてください。
「強い」(こわい)という意味もあります。
語源は同じです。
融通がきかない、頑なであるということです。
「盲人蛇に怖じず」というように何も知らなければ平気なものです。
蛇がいることを知った人は動きがとれません。
といっても盲人は蛇に噛みつかれるリスクもあります。
さてさて、どうすればいいのでしょうか。
陽明学に「知行合一」という戒めがあります。
知って行動しないのは知らないのと同じであるという意味です。
知っても行動しなければなんの役にも立たないということですね。
世の中には博学でなんでも知っている人がいます。
子供時代に身近にそんな人がいました。
その人は何を聞いても答えてくれるのです。
それなのに周辺ではやっかいものでした。
子供心にとても不思議でした。
大人になって分かったのですが、知っているだけでなにも行動を起こさなかったのです。
それで、村の人々が邪魔者扱いをしていたわけです。
でも、私はなんでも教えてくれるその人が大好きでした。
その知識を活かして行動していれば村人から尊敬される人になっていたのにと、今でも悔しい思いです。
知っていても行動しない人は知らないのと同じことなのですね。
陽明学に「知行合一」の教えがあるのは、やはり行動しない人が多いということです。
子供時代の印象があまりにも強かったので、自分の戒めとしています。
だから行動するために知ろうと思うようになりました。
逆に知らなければ行動できないのです。
ものごとの真理は奥深いものです。知っても知っても知らないことが増えていきます。
知っても知っても行動できない自分がいます。
元の木阿弥とはこのことです。
この世はパラドックスに満ち溢れています。反省・・・