出会いと別れ
人はなぜか旅が好きです・・・
それは非日常空間から来る開放感に浸れるからでしょうか。
いや、そんな単純な動機だけではなさそうです。
そこには言葉で語りつくせない何かがあります。
旅には人生の縮図のような感慨を宿しています。
それは人生もまた一つの旅だからです。
ドラマや映画で空港でのシーンがよくでてきますね。日夜数十万の人々を飲み込みそして放出する空港ー。
そこはある種の別れと、出会いのドラマが展開されています。
空港は新たな旅立ちの場所でもあります。
忘れ得ぬ人々との出会いと別れは、その後の人生を鮮やかに彩り、人の心を大きく成長させてくれます。
人はこの世に生まれ、恋をし、仕事をし、泣き笑い、多くの人と出会い、そして別れてきました。
空港で行き交う人々を眺めていると、ふと自分の人生と重なり、何か哀愁に満ちた感情に襲われます。
でも、私は空港より名もなきローカル駅のプラットホームが好きです。
ホームにたたずむ人を眺めながら、この人とはもう生涯会うこともない一瞬の出会いだと思うと愛おしい気持ちになります。
「どこに旅立つのだろうか」と気にもなる。
非日常空間に身をおくと人は詩人になるのかもしれません。
こんな情感は決して空港では味わえない。
この世の人生はたった一度きりです。
二度とない人生を、もしドラマ化するならば、人々を感動させるような名作にしたいものですね。
名作には別れと出会いはつきものです。
百人いれば百人のドラマが演じられます。
どのドラマがよかったかは誰も決めることができません。
決めることができるのは本人だけです。
どんな死に方をするかは、どんな生き方をしてきたかで決まります。
ドラマの最後は、感動で終わりたいものですね。
明日はどんな人と出会い、どんなドラマが始まるののだろうかと思うと
毎日が旅立ちのようなものです。