時代をつくってきた職人たち
あらゆるジャンルで職人は貴重な存在です。
職人の磨かれた技は、長年の鍛錬の賜物です。
だれも真似をすることができない貴重な宝物です
私の父は洋服仕立ての職人でした。
内閣総理大臣賞を受賞したほどのその道の達人でした。
著名な俳優や芸能人が出入りしていたことを子供心に覚えています。
父は我が息子に後を継いで欲しかったに違いありません。
職人は学問より腕だといい、私の大学受験を拒んだぐらいです。
しかし、そんな父も時代と共にコンピュータの緻密な裁断に負ける日が訪れた。
最後は、父の手作りを楽しんでくれたわずかのお客さんだけになってしまった。
それでもひとつの時代を一途に生き抜いた頑固な父を誇りに思っています。
今、父と同じように時代の波にさらされている職人たちがいたるところに存在しています。
職人の生き様は、私は好きだ。
しかし、仕事としてはもう世の中に受け入れられない時代なのです。
いや職人だけでなく、長年会社を支えてきた技術でさえも時代の中で消えて行こうとしています。
それでも、あの職人魂だけは後世まで残して欲しいと願っています。
ガラバゴスと揶揄されている日本の技術の裏には職人たちの情熱と誇りがあったことを忘れたくありません。
10年後のあなたの仕事は大丈夫でしょうか。